青いオーラ

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青いオーラ

夕暮れ色に染まった校舎の一室。 私が美術部員として一人静かに絵を描いていると、背後から声をかけられた。 「それって僕の絵?」 誰もいないものと思っていたものだから、小さな悲鳴が私の口から洩れ、背筋がピンと張った。 「はぁ・・・。勝手に人の絵を覗き込むなんてどうかと思うけど」 私が振り返った先には同じクラスの男子生徒。 彼もこの美術部の一員だった。 「それを言うなら勝手に人を被写体にする方がどうかと思うよ?まぁ、そんなことより、その薄汚い黄色は何?」 絵に映る男子生徒の周りには彼を取り囲むようにして、くすんだ黄色地の背景がある。 「これは・・・。オーラよ」 「・・・オーラ?」 「そう。テレビとかで聞いたことぐらいあるでしょう?人の周りには微弱なエネルギーのようなものが存在するの。信じないでしょうけど、私は人のオーラが見えるの」 「オーラが?ふーん。それで、なんで僕のオーラだけそんなに汚い色してるわけ?」 信じたわけではなさそうだが、男子生徒はことさら自分のオーラの色に納得いかないようだった。 「別にあなただけではないわ」 私はスケッチブックをめくり、他の生徒が書かれた絵をいくつか見せる。     
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