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「ああ。なるほど。皆変な色だね」
「オーラの色は千差万別よ。そして、始めは極めて原色に近いわ。だけど、人と人との関わりによって少しづつ色が溶け合って、最終的にはみんなくすんだ色になるの」
「へー。面白いね。ちょっと見ていい?」
「どうぞ」
スケッチブックを手渡すと、男子生徒は残りのページをめくり、被写体のオーラの色に「意外と赤なんだ」とか「やっぱこいつは緑か」なんて一喜一憂した後、一番最初のページを見て突然笑い出した。
「はっはははは。まさかちゃんとオチまであるなんてね」
何が言いたいのかはわかる。
最初のページの被写体は私自身で、そこにはこれまでとは異なった綺麗な青色のオーラが刻まれている。
「誇張して描いてるわけじゃないわ。私は自分のオーラを綺麗なままで保ちたいから、人との交流を控えているの」
「ん・・・?よく一人でいるのを見るけど、それが理由なの?」
「そうだけど、変かしら?」
「いや、まぁ、人の生き方にどうこう言えるような立場じゃないけど・・・。ただ、絵を描くときにチューブから出した絵の具をそのまま使ったりしないでしょ?」
「当たり前ね。それがどういう意図を示しているのかはわからないけど」
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