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男なら、泣くな。
「ふう~
もうお腹パンパン。これ以上食べれないや。」
ノレンの分の給食も平らげ満足したイロハ少年
「お腹の栄養が胸に行ってくれたら良いのに。」
膨らんだお腹をさすりながら帰路につく
「ただいま~」
家に帰るとナスビが出迎えてくれた
「いろはにに!おかーりー!」
「よしよしナスビ!いい子にしてたか?」
「ちてたよー」
ナスビを抱き抱えるとオムツが重い
いつもならイロハより先にハテナが
小学校から帰ってナスビのオムツを
取り替えてから買い物に行くのに
「ナスビ、ハテナににーはどこいった?」
「ちらない。まだきてない。」
「帰ってないの?」
「ない。」
心配になったイロハ少年は
カバンを置いて外に出た
ハテナは寄り道するような悪い子じゃない
「ハテナー?」
いそうな場所を探すがどこにもいない
探しているうちに河川敷まで来てしまった
そこには川縁で体育座りしている
ハテナの後ろ姿があった
「ハテナ!そこにいたの?」
イロハの声にハテナの肩がビクッと揺れる
「心配したんだよ?いったいどうし…」
「来ないで!!」
ハテナが顔を隠して叫ぶ
「? ハテナ…」
「見ちゃダメにいちゃん!!」
嫌な予感がしてイロハ少年はハテナの
両腕を掴み顔を覗き込む
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