第2話 探し人

3/3
44人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
《Side:砂斗》 なぜ俺がこんなにもイライラしているのかというと。 それは相手が"男"だからである。 芹を舐め回すように見つめるその目には、明らかな情欲の色が見て取れる。 にも関わらず、当の王子様はそれに気づきもせず笑みを向ける。 女からのそういった視線には敏感なくせに。 「そういう感情は使えるからね」 以前そうは言っていたが、それが男にも当てはまっていることを本人は理解していない。 まぁ、力があるため襲われても大丈夫だと思うが、油断している節は否めない。 「兄、です」 写真を前に出した依頼主に答えるように、芹がそれを受け取る。 依頼主の手が芹の手を追ったように見えたのは気づかなかったことにしよう。 写真を手にした芹の瞳が紅に染まる。 それも一瞬で、彼はすぐにその綺麗な瞳を閉じてしまった。 魔法で写真に写る男、依頼主の兄について探っているのだろう。 それは良い。 それ自体は良い。 その行為自体はやらなければ仕事ができないわけだし。 でも、だ。 鼻の下を伸ばした部外者を目の前にしてやることじゃないだろ。 紅に光った瞳を見て目を見開いたその男は、彼が目を閉じた瞬間唾を大きく飲み込んだんだぞ。 それが何を意味するのか、わからないわけでもあるまい。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!