鬼の風紀の裏の顔

プロローグ

この学園には七不思議と呼ばれる噂話がある。

どの学校にもあるだろう。

これは、その一つ。

『最終下校が過ぎた刻、風紀の扉を開ける前、鈴の音を２度ならし、ゆっくりと３回ノックをすると、扉の先にある万事屋に依頼ができる』

それを信じて実行する生徒は少ない。

例年、風紀委員長には厳しい【鬼】が就任し、校則を破ったり、悪ふざけをするような輩を処罰する。

七不思議を調査することも、その悪ふざけだととらえられかねない。

そんな【鬼】に対抗しようとする輩などいるわけがない。

とはいうものの、心から助けを必要としている人間はいるわけで。

今日も風紀には鈴を持った『客』が訪れる。