いざ警察科へ

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 淡々と続けられる話に未だ新入生達はついて行けず戸惑いの表情を浮かべる。 「吸血鬼は見つけ次第捕え警察に引き渡しますが、捕まえる過程で殺しても構いません」  『殺す』という単語に誰かが生唾を飲み込む音がした。 「吸血鬼が学内に侵入した際には他の生徒達にはわからないようにその事を伝えるための警報が鳴り――」  冷静に語られる話を赤星はずっと現実感のないまま聞いていた。  三年生が話を終え教壇から下がると、最後にそこに立った徳永学園長は入学式の時とはまるで違った顔つきで声を張り上げる。 「吸血鬼は残虐非道な凶悪殺人犯だ! 吸血鬼を捕まえるということは警察の何よりの成果で最大の誇り! 何としても君たちの手で吸血鬼を撲滅し平和な世の中を作ってくれたまえ!!」  期待を投げかける言葉に、赤星は青い顔で眉をしかめることしか出来なかった。  そんな彼を他所に周りの新入生達の中には、未だ衝撃的な内容に驚きつつもやる気を見せる者もいる。  教室内を流れる異様な空気に、赤星は言い知れぬ不安を感じていた。  新入生達は先輩達の指示でブレザーの内側にショルダーホルスターをつけ銃を携帯する。確かにある銃の重みを感じながら、赤星には思うことがあった。  説明会で何度も繰り返された『吸血鬼』という言葉。これを赤星は昔両親に言われたことがある。
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