心臓に杭を打つ

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「お前のような罪人がいつまでものうのうと暮らしていけると思うな。必ず俺がお前を監獄に送ってやる」  尚も続く来須の言葉に、赤星の頭の中に蘇った一つの記憶。  廃墟の中に真っ赤な水溜まりが広がっている光景。ひどく生々しく嫌悪感を伴う鮮明な色は、思い出す度決まって赤星を動揺させる。側頭部がずくりと痛み、じわじわと首を絞められているかのような息苦しさを感じた。 「来須くん?」  突然その場に似つかわしくないはつらつとした声が響き二人がそちらを見やると、校舎の方からやってくる牡丹の姿があった。 「牡丹……」 「雅巳、やっと見つけた。どこ行ったのかと思ったら……来須くんも警察科に?」  牡丹の言葉に来須は、あぁ、と小さく頷く。赤星と来須の間に流れていた緊張感に気付かずに牡丹は続けた。 「雅巳と一緒に帰ろうと思ったんだけど、話の途中だった?」 「一緒に帰るったって俺もお前も校舎のすぐ隣の寮舎に戻るだけだろ」 「いいじゃん。今日どうだったかとか聞きたかったし。ついでに一緒にゲームもしたかったし!」 「絶対そっちが本音だろ」  冷ややかな視線を送る来須の横で二人は勝手に話を進める。 「雅巳達が出てきたのって射撃場? もしかして銀零部隊に入れたの?」
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