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ラインでも確認の取りようはある。けれど、こんなに人が多くてはスマホを取り出すのも厳しい。
俺は人の波をかき分けて、それこそ怒声を浴びせられたけれど、屋台の脇から、押しくらまんじゅう状態だった人の群れから抜けた。
屋台の後ろから、群れを確認しているうち、立ち尽くしている結城を見つける。
まるで暴風雨にさらされる、枯れ木のようだ。あっちこっち人でぶつかっているのに、まるで避ける様子がない。
怪訝な顔で結城を見てくるヤツもいたが、結城はその事に気がついていないようだ。
「結城!」
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