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春馬は結城に詰め寄る。不意打ちに近づかれるとびっくりするが、自分から迫るのは全く苦ではない。我ながら不思議なモノだ。結城さんはそんな春馬を見ていくうち、その詰め寄りっぷりが面白くなったのだろう。
くつくつと笑い始めた。
「なんか、凄い圧だけど……そんなに行きたいの? 春馬君」
「嫌ならいいです」
「そこで、引くのか」
「いや、迷惑ならと思っちゃうので」
「押しが押し切れないねぇ……」
結城は空笑いした。それから、優しく春馬の肩をたたいた。
「よし、明日、一緒に行こうか」
春馬はその言葉に、ぴくりと反応して顔を上げた。
「よ、よろしくお願いします、っす……」
何で急に言葉がどもるんだよ! 春馬はうちに帰った後まで後悔し続けた。
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