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「学生時代から真面目さんだったんですね~しかも頭がめっちゃ良いなんて。羨ましいですよ~」
「いやいや君だってこの会社に入社してるじゃないか」
そう言うと、女性は明るかった表情から一転、曇った様子になった。
「どうしたんだい?」
「それがですね~……私この会社辞めようと思ってるんですよね」
意外な一言だった。
「最初はいい会社に入れたかなぁとか思ってて。ほら、一応ここって一流企業じゃないですか。でも、最近きつくなっちゃって、正直耐えられないって言うか……まぁそんな感じです」
正直なところ僕にはきついって言う事がよく分からなかったけど、それでも彼女なりに悩んだいるんだろうと思ったら何か声をかけてあげたいと思った、でも、僕には気の利いたことは言えなかった。だから
「僕には正直きついとかよく分からないけど、君がそう思うなら正解だと思うよ。やっぱり仕事って自分が続けられるものが一番だと思うから。ほら君はまだ若いしさ、まだまだチャンスなんてたくさんあると思うよ。僕はもうだいぶ歳をとっちゃってもうそう言うのとは無縁だけどね」
自分でもよく言ってる事が分からなかったけど、伝えたい事は伝えられた気がした。
女性は僕の言葉にポカンとしていたが、すぐに声を上げて笑い始めた。
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