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私は、少し片付けをして帰ることにした。 外は暗いし、待っていようかと申し出る男子に礼を言いつつも断り、一人で壁紙を剥がし始めた。 別に明日やっても良いのだが、なんとなく余韻に浸っていたかったのと、私物が備品に混ざっていたのを回収したかったのとで、残ることにしたのだ。待たせていたら急がないといけないので、一人でやりたかった。ごめんね、と、肩を落としながら帰っていった、先ほどの男子に心の中で詫びる。 また、高橋君のことも少し気になる。斎藤さんのバッグはないので、そのまま帰ったのかもしれないが、高橋君のはここにある。まさか忘れて帰った? いや、しっかり者の彼のことだ。それはない。だが、万が一の時の場合に備え、「家まで持って行こうか?」と尋ねるメッセージを送り、のんびりと片付けをするついでに彼の帰りを待った。     
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