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彼も呆然として、ただ顔を赤くして硬直していた。互いに見つめ合うばかり。
告白はどうだったの、とか、斎藤さんはどうしたの、とか、なんでこんなに時間がかかったの、とか、いろいろ聞きたいことはあった。
こんな場面を誰かに見られたら明日から学校にどういう顔をして登校したら良いのだろう。折角ただのクラスメイトを演じてきたのに、関係がバレてしまう。グルグルと頭の中では色んなことが思い巡らされている。
でも、今はもう少し、このままでいたい。
生まれて初めて感じる、今このときのどうしようもない胸の高鳴りと、多幸感、相反する不思議に落ち着いた気持ちにはどうしたって敵わないのだ。
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