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チェクを終えた頃には、もう校内には誰も生徒がいなかった。他のクラスの実行委員の生徒も私たちのように最終チェックをしているはずだが、早めに終わらせて帰ったのだろう。もう7時を回っている。 「早く帰れよ」 と先生方に声をかけられながら、家路を急ぐ。高橋君とは家が隣同士だが、彼はサッカー部の練習があるから、ほとんど行き帰りに会うことはない。なんだか新鮮だ。昔に戻ったみたい。 久しぶりのことでちょっと緊張していたのか、少し足早になる。 もう少しのんびり歩こうぜ、と高橋君に声をかけられ、ペースを落とすが、なんとなくソワソワしてしまう。 「そ、そういえば明日は誰と一緒に出店を回るの?飯田君?」 私は、沈黙にならないように話題を振った。飯田君とは、高橋君といつも一緒にいるサッカー部の男子だ。飯田君も、高橋君とは系統が違うが、やんちゃな感じのイケメンさんだ。 「ああ。お前は?」 「私はみっちゃんかな?」     
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