いつか…

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いつか…

マユと専門の話で盛り上がっていると 着替えたマサノリが隣に座ってきた。 「あ、終わったの?お疲れ様!」 「マサノリくん、お疲れ様ー!」 「ありがとー!俺も飲むかな…。 リノ、それ何杯目?」 「2杯目! さっきまでジュース飲んでたもん!」 「はい、酒はそれでストップ!(笑)」 「え?リノ飲める杯数決まってんの?(笑) いつも1杯しか飲まないけどさ」 「前に、3杯で気持ち悪くなったんだよ(笑)」 「うぅぅぅ…」 「それじゃ、決められても仕方ないね! マサノリくん保護者みたい(笑)」 どうせ手がかかる奴だよー! 言われて当然なので何も言い返せず…。 マサノリが1杯ビールを飲み終わったので 帰ろうとお会計をした。 いつもはキッチンに籠ってる店長さんが 出てきてくれたのでお礼を言ってお店を出た。 同じ路線なので3人で電車に乗り マユは数駅でバイバイ! そこからはマサノリとN高駅まで2人きり。 ドア付近に凭れてマサノリと手を繋いで 電車に揺られていた。 今回は2杯しか飲んでいないので 気持ち悪くなる事なく無事N高駅に到着! 夜風に当たりながらママさん家まで歩き 途中でコンビニに寄って買い物をした。 「こうして手を繋いでさ、 同じ家に帰るって何かいいよな…」 「うん、毎日こうだったらって思っちゃう」 「俺も…」 また同じ事考えてた。 マサノリが言う前からアタシもそう思ってたんだよ? いつか本当にそうなれたらいいな。 今でも十分すぎるくらい贅沢な環境だけど やっぱり憧れちゃうよね。 通りを走っていた車が途切れ 辺りに静けさが訪れたその時…。 「いつか2人の家に一緒に帰ろうな?」 突然マサノリが話し始めた。 え!?アタシの心の声漏れてた? 本当にそう思うくらいのタイミングだった。 「うん…」 胸が一杯になり、そう答えるだけで精一杯。 プロポーズなんてモノじゃないのは解ってる。 でも、今のアタシには めちゃくちゃ嬉しい言葉だった。 伝わったかな? アタシのこの嬉しい気持ち…。
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