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それから7時過ぎに夕飯の準備を始め
8時には用意出来たので2人で食べ始めた。
「スゲェーー!リノ、ホント料理上手いな?」
「まだ食べてないじゃん(笑)」
「見た目だよ、見た目!
目から美味しそうって伝わってくる!」
料理だけじゃなく盛り付けも
ママにうるさく言われてきたからねぇ…。
和食だから小鉢や中鉢に盛り付けたり
角皿に揚げ茄子を綺麗に盛っただけなんだけど。
1人前ずつお皿に盛り付けたから
少しは豪華に見えたかな?
「美味っ!味も最高!肉柔らかっ!」
「落ち着いて食べてくださいな(笑)」
「ウチさ、ママさん料理苦手だろ?
ばぁちゃんもあんまり得意じゃないし。
だから、リノん家のご飯って凄いなって…。
ママちゃんいつもいっぱい作ってくれるだろ?
その腕をちゃんとリノが引き継いでいて
こうして食べれて、俺幸せだよなぁ…」
しみじみとマサノリがそんな事を言うから
何だか胸が熱くなってしまった…。
どんどん涙が溜まってきてるのが解り
やがてそれはポロッと零れ落ちた。
「え?リノ泣いてる……の?
俺何か変な事言った?」
「言ってない…(泣)」
「焦ったぁ…。
どした?何で泣いてんの?」
「ご飯作っただけなのに…。
そんな風に思ってくれて…。
嬉しくて涙出てきた…(泣)」
「作っただけって…(笑)
俺が和食って言っただけで
これだけの料理出てくるって凄い事だぞ?
ちゃんと教えてくれたママちゃんに感謝だな?」
「うん……」
「もう泣かないでご飯食べよ?
リノの分まで食べちゃうぞ(笑)」
ママのご飯で育ったアタシはそれが当たり前で
作ってもらったり教えてもらえる感謝を
普段はすっかり忘れていた。
それをこうして気付かせてくれるマサノリ。
そんな人が隣に居てくれている
アタシの方が幸せなんじゃないかと思った。
少し多めに作ったおかずもマサノリが平らげ
早くも次は洋食がいいなとご機嫌でリクエスト。
ニコニコのマサノリを見ていると心が温かくなる。
うん、やっぱりアタシの方が幸せだよ!
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