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 今ここで特別な何かが起きた。それには意味がある。ボクだけが知っている。それはずっと悩んできたことの答えなのだ。答えは明確な形をとるわけではなく何かキセキのような瞬間で応えてくれたんだ。  たぶん世界がボクに応えてくれた……。  たぶんユキちゃんも同じようなことを経験したに違いない……。  …………。  …………。  …………でもでも、それはあまりにも答えじゃないような気がしたから、その後にもう一度同じことが起きるかどうか試してみた。  また目を閉じてジッとした。その時に色々と考えが巡ってしまった。もう一度同じ事が起こったらボクはどう思うだろう。キセキっぽいものが二度も起きたらそれはキセキでもなんでもなくて、だから答えでもないということに落ちつくのだろうか。それともキセキが二度も起きたんだから答えは正しく答えであって正しかったのだと確信しただろうか。  でもそれは永遠にわからない。キセキは一度しか起きなかった。答えは一つだった。  そう確信した時に耳から聞こえる音がやけに大きく、そして胸に押し迫ってきた。  それが水音だった。水音に包まれているボクを発見した。     
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