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「…どうなっても、知らないぞ…」
面倒臭さそうに言って、僕に覆いかぶさってきた。
その廣田さんの体を受け止めると、
僕は、ひどく安心した。
…のは覚えてる。
朝目覚めて、後悔した。
しまった。大事な初夜を覚えてない。
「廣田さん…廣田さん?」
いないし。
辺りを手探りで探すと、枕元にメガネと、
『明日も仕事だから帰る』
って、いつも新聞についてくるスーパーの広告の裏。
しまった…体の感覚で分かる。
「…逃げられた…」
二日酔いの重たい頭をガクッと落とした。
してもらう、絶好のチャンスを、…逃してしまった…
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