41人が本棚に入れています
本棚に追加
ここへ来る前に買って、冷蔵庫が動いてからすぐ冷やしてたシャンパンで、乾杯。
あぁ、お祝いっぽい。
「ミヤ……?」
「ん?」
俺は寿司を食べる前に、正座して、
ミヤに言った。
「改めて……俺と、一緒になって下さい」
頭を下げると、ミヤも持ってた箸を置いて、正座する。
「あ、はい…なります…。お願いします」
お辞儀した。
「あと……」
ミヤの目を見つめて、
「ミヤの未来を、俺に下さい」
「……え…」
ずっと言おうと思ってた、言いたかったことを口に乗せたら…なんか、プロポーズみたいになった。
そうだ、これはプロポーズなんだ。
俺が、ミヤをもらう為の。
「子供とか、家族とか……そんなん、あげられないけど。ずっと、大事にするよ。ミヤが死ぬまでずっと。そばにいる。だから……」
「……」
ミヤの瞳に涙が溜まっていくのが見えた。
「ミヤを下さい」
「…え……嘘…なんか…なんか、嬉しい……」
下を向いた瞬間、それは一粒、綺麗に流れた。
「…プロポーズみたいだ…」
同じことを、考えてる。
「…ありがとう…嬉しい…」
涙がおさまるまでずっと〝嬉しい〟って言ってくれるから。おさまるまでずっと、後ろから……抱きしめてた。
長過ぎる長袖を、上に感じながら。
嗚咽が少しずつ、落ち着くと、
「…長生きしてね」
急に堅実的なことを漏らす。
最初のコメントを投稿しよう!