一緒になってみた。【ヒロ】

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「…そう、なるよう…禁煙してます」 俺はとっさに答えた。禁煙。 ミヤと別れてから、何故か自然としてた。初めは…願掛けみたいなもんで。 〝ミヤとまた一緒になれたら吸おう〟って。 けどいざ一緒になってみたら、 〝逆に吸っちゃいけないんじゃないか?〟ってなった。 「…最近吸ってないから…どうしたのかなぁとは、思ってたけど。……俺の為?」 「うん…まぁ」 「…ふぅん…」 あれ?意外と、嬉しくなさそう。 「…けど俺は……ヒロがタバコ吸うとこ…ちょっと…好きなんだけど」 赤い目のウサギが、振り返って可愛く俺に上目遣い。 「えマジでか」 いいのか?吸って。ウサギさん。 「うん…マジで」 甘えるように、俺の下唇を舐めた。 「それに…俺だって、おんなじだよ。ヒロが死ぬまで、そばにいたい」 『俺もおんなじなんだけど』 『だから、…一緒にいて楽しいってやつ…』 「ヒロが先に死んだって、俺は幸せだよ?死ぬまでずっと、愛してあげるし。愛して…くれるんでしょ…?」 「あぁ…もちろん」 大好きなミヤが、嬉しそうに笑う。 「なら、幸せだ……」 新しく買った大きめの布団で、ミヤを抱いて、眠る初夜。 キスを二回。 「今日は…もっとしても、いいんだよ?」 あぁ、あの時のことか。 首筋にふれて、 「……ここは?」     
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