お願いしてみた。【歩】

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お願いしてみた。【歩】

廣田さんが本庁に来て、二ヶ月が経った。 僕と廣田さんは課が違うから、ずっと一緒にはいられないけど、毎日、僕のいる窓口に顔を出してくれる廣田さんが…あぁやっぱり、僕は好きだ。 そのことを廣田さんに言うと『通り道だからだ』って言うけど、この前僕が『飲みに連れて行って欲しいです』って言ったら、なんと今日!連れて行ってくれるんだって!…嬉しいなぁ…僕はあんまりお酒、強くないけど、廣田さんが他の人と行っている、そういう場所に、 行きたかったんだ。二人だけで。 廣田さんの、特別に、僕はなりたかったんだ。 廣田さんが連れてきてくれた居酒屋で、 乾杯をした所で、 「始めに言っとくけど俺…他に好きな人いるから」 衝撃の事実だった。 「えっ、え…それって……付き合ってる、人?」 「いや…今付き合っては…ないんだけど」 安心した。 「なら僕にも、チャンスありますね」 僕は慣れてないビールってヤツを、とりあえず飲んだ。 クラクラした。けど、廣田さんといるから、どこかご機嫌だった。 「お前はそれでいいのか…?好きな相手が、他の人好きって…」 「けど、付き合ってないんでしょ?僕と同じ、片想いと、一緒だ」 「前は付き合ってたんだぞ?」     
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