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「僕…魅力ないですか…廣田さんに抱いてもらえるほど…」
「…そんなんだったら、苦労してない」
「何の苦労…?」
「お前に手を出さない苦労」
「手は出してるじゃない…」
「だから、困るんだ」
廣田さんが僕のメガネを外して、
「…最近はメガネあっても可愛く見えてきた…」
「え?…メガネ…?」
「何でもない」
いつものようにキスをくれる。
「ん…もっと、もっとちゃんとしたの…して?」
「俺は、お前を傷付けるかもしれない」
僕は笑った。
「傷なんて…僕に色々しといて〝他に好きな人がいる〟?…充分傷付いてるよ、僕だって」
廣田さんの下唇を噛んだ。そのまま、深い口付けになって……
「…んっ…ぁあっ…」
「それ以上の酷いことを、するんだよ俺は…」
これほどまで、誰かを欲したことはなかった。
「…ヒドくしていいよ…僕は、廣田さんがいい…。僕を、廣田さんの所有物に…して…?」
首筋にも、胸にも、あそこにも。傷が付く度にいつも廣田さんを想っていた。もしちゃんと抱かれたら、僕は…
…どうなって、しまうだろう…
「…繋がってたい…」
繋がれていたい。
支配されたい。暑い中外で繋がれてるワンコみたいに。
飼い主に従順でありたい。繋がってるうちは、まだ僕が廣田さんのモノだって、思えるから。
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