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夢の中の女性は誰?
「何描いてるの? 女の人?」
私が絵を描いてると、えっちゃんが寄って来て覗き込んだ。
恵 悦子ちゃんは私と同級生の美術部員(入部3ヶ月目)。
「駄目、見ちゃ。」と私。
「良いじゃん。て言うか、何で美術部でもないのに、ここで絵描いてるの?
入部する?」とえっちゃん。
「祥子ちゃん巧いんだから、美術部入んなよ。」と部長。
前野部長は三年生で、一学期で引退。
引退すると前野前部長とか超ややこしい話になる。
「色鉛筆だから描けるの。油絵とか水彩とか無理だし。」と私。
私はおねちゃんが買っただけで放ってた100色色鉛筆セット使ってる。
「何で美術部に来てるの?」とえっちゃん。
「描き方分からないから教えてもらおうと思って。」
「いやいや、ちゃんと描けてるでしょ。で、この人何?」とえっちゃん。
「それがね、最近毎晩夢に出てくるの。で、毎回怒られてるの。」
「怒られるって何?」
「何か、もっと成長しろとか、このままだと駄目だとか?」
「この人が?何か心当たりある?」。
「全然。」
「あれだ。この前の中間試験だって試験勉強全然してなくても山勘だけで高順位でしょ。
あれ、やっぱり駄目なんじゃないかなって思うよ。」
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