夢の中の女性は誰?

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「あー、漫画とかで手足が速く動いたのを手を沢山描いて表現するのってあるじゃん。それ?」と部長。 「違うよ。手が4本あるの。」と私。 「それって人間じゃないじゃん。妖怪とか?」 とえっちゃん。 「でも美人なのよね。」と私。 「それ妖怪かどうかと関係あるの?」とえっちゃん。 「美人の妖怪って聞いたことある?」と私。 「リアルで妖怪の話なんて聞いたこと無い。」とえっちゃん。 「だよね。」と私。 「と言うか妖怪というより観音様とかじゃない。ほら三十三間堂の。」と部長。 「千手観音ってもっと手が一杯あるし。」と私。 「でもなんか服装がインドっぽいんだよね。」と部長。 「そうそう。やっぱりベリーダンサーとかじゃない?」とえっちゃん。 「なんか違う。」と私。  ガラガラと扉を開ける音がして、同級生の最上 霧子ちゃんが入ってきた。 「祥子ちゃん、今日一緒に買い物に行くって約束してたのに、全然帰ってこないから私困っちゃう。」と霧子ちゃん。霧子ちゃんはおっとりしてるのよね。 「ごめん、ごめん。絵も描けたし、行こっか。」 「その絵何?インドの神様?」 「え、霧子ちゃん知ってるの?」 「知らないけど、なんかそんな感じした。服装とか色使いとか。なんか手に蓮(はす)の花持ってるし。」 「え、これ蓮なの?」     
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