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驚いた大輔は「何だ、これは」と大きな声を出してしまう。
次の文が現れた。
『勝手に人の部屋に入ってこないでよ』
次々現れる文字に大輔は驚きノートを落とした。
大輔はノートを拾い上げ良く観察してみたが、コンビ二でも売っているようなありふれたキャンパスノートで別段仕掛けがあるようには見えない。
大輔にはどうして文字が現れるのか原理や書き手は分からなかった。書かれてる文字は日本語だし、書き手は大輔の様子が分かるらしい。大輔は書き手とコミュニケーションをとってみようと思った。
ノートを机の上に戻して、さっきのページを開ける。
書き手に声は聞こえるだろうか? 大輔は声を出してみた。
「人の部屋って何だよ? このアパートは今日から俺の部屋だよ。 賃貸契約したから」
すると返事らしい文字がノートに現れた。
『何がどうなってるの? クローゼットも本棚も無いし、机も私のじゃないよ』
押入れが勝手に開いて大輔はぎょっとした。
「これはポルターガイスト現象か? ひょっとしてこれって幽霊が書いてるのか?」
『幽霊? そう言えば、救急車に乗った気がするよ。その後どうなったの?』
「おいおい、本当か?本当に幽霊? 心理的瑕疵物件?敷礼返せよ……って礼金は無かったか」
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