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親友
翌朝大輔が朝食を食べたてると直ぐ横でバキっと所謂ラップ音がした。大輔があわてて昨日のノートを開くと
『遅いよ。』
と言う文字が現れた。
「朝食位良いだろ。ところであんたの親友の名前は? 何処に住んでた?」
『近くだよ。名前は上月 瑠璃。家が美容院やってたから引越しはしてないと思う』
「何処の美容院?」
『国道沿いの上月美容院』
「ネットで調べてみるか」
朝食を食べ終えてからスマホで検索してみると、ビューティーサロン上月と言うのがある。アパートから直ぐ近く、歩いてほんの5分ほどの距離だ。
「店の名前は変わってるみたいだが、両方上月って付くから多分同じ所だな。一度電話を掛けて聞いてみる」
大輔はそれだけ言うとノートを閉じた。大輔がビューティーサロン上月に電話をしようとスマホを手にした瞬間、スマホは震え始めと聞きたくないメロディーが鳴り始める。
大輔は発信元を見て舌打ちをした。一月前に別れた彼女だ。大輔は少し躊躇してから電話に出た。
「はい、柳です。」
「早く出なさいよ。私が掛けてるって分かってるんでしょ。」
「いらいらしてるね。今日も夜勤明け?」
「勝手に引っ越したからでしょ。 会社は辞めたの?」
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