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「ああ。ところで僕らは一月前に別れたはずだが。」
「私は別れる事に合意した覚えはないけど。」
「別れたんだよ。それと言っとくけど会社辞めたのとか引っ越した事は別れたのとは全然関係ないからな。」
「私はあなたが仕事を辞めることには賛成よ。養ってあげるから主夫になりなさい」
「そんなつもりはないね。そもそも、それまでも一月に一度位しか連絡取らなかったのに付き合ってたんだろうか?」
「連絡が出来なかったのは研修で忙しかったからよ。それももう直ぐ終わり。なのに何故別れるなんて言うの?」
「君は間違ってる。別れるんじゃなくて、もう別れてるんだよ。じゃあ」
そう言うと大輔は電話を切った。
彼女は研修医だから忙しいのは分かるが、出勤前の忙しい時に電話掛けてきて口論になり、挙句別れようと言い出したのは向こうの方だ。振り回されるのはもう御免だと大輔は思う。
また大輔の直ぐ横でラップ音がしてノートを開けてみると
『元彼女さん?』
と言う文字が増えている。
「プライバシー無しか。」と大輔は嘆いた。
大輔は気を取り直して、ビューティーサロン上月に電話する。
「はい、ビューティーサロン上月 です」
「そちらに上月 瑠璃さんはいらっしゃいますか?」
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