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「あのね、スルブ・・・私、聞いてしまったの。
お兄様たちが、この国をっ、イラッサム国を7つに分断して各国をお兄様たちが治める国にするって。
でも、そうしたらシャルムが邪魔になるから・・・・・シャルムを殺すって・・・そう言っていたわ」
幼いプリンセスは、震える声で言うとその大きな瞳にじわりと涙を浮かべた。
「まさかっ、本当に王子たちがそのような事をっ」
にわかに信じがたいライラの言葉であったが、不仲の7人の王子たちを思えば、それも決してない話ではなかった。
ライラとて、兄たちに優しくされた記憶は殆どなかった。傍へよれば、罵られ、笑みを向ければ唾を吐かれた。
いつしかライラは、七人の兄たちと距離を置くようになっていた。
それでもライラが他者への信頼の心を捨てなかったのは、従者のスルブがその全てをかけて、常にライラを守ってきたからだった。
ライラはスルブを心から信頼していたし、またスルブもライラを主としてそして、我が子の様に大切にしていた。
ライラが偶然、王子たちの企みを聞いてしまったのは、 王のイラッサム十六世が病で崩御から、わずか半月のことである。
七人の王子は第一女王の息子たち。
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