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甘い。
「っあ……っく」
足の先、指の一本から、這わせた舌に感じる細い毛の感触から、微かに香り立つ汗の匂いさえ、全てが甘く感じる。
早く分かりやすい刺激が欲しい、でもそんなのは勿体ない。人の目に触れるところは念入りに舐め、譲さんさえすぐには気付かないであろう部位を吸い上げる。
この人は俺のものだと、誰が見ても知らしめることのできる印があればいいのに。
舌を広く使いゆっくりと大きく、時には尖らせて小刻みに皮膚に刺激を加えていくと、譲さんは堪らなさそうに声をあげた。
そうして普段他の人間とする時とは比較にならないほど丹念に、時間をかけて愛撫していく。
譲さんはきっと、きっと初めてだろう。
初めての感覚を、気持ち良いものにしてあげたい。確実に、挿入する時には激痛を伴うはずだ。せめてこの愛撫で身体に快感を覚えこませて、何度も何度も俺にして欲しくなるようにしたい。
譲さんの全身をくまなく舐めて服をすべて脱がせ、そそりたつそれにキスをする。
もしかしたら仮性包茎かもしれないな、なんて思っていたけど、サイズこそ可愛らしいがしっかりした大人のモノだった。丸くつるりとした先端を口に咥え、歯を当てないように限界まで口に収め、頬を窄ませる。
「あ、あっ、や、だ……」
今までよりもっと反応が大きくなり、嬉しくなってしまう。
柚希がやっていたように陰茎に舌を滑らせたり、袋の部分を緩く吸うたびに、密着した内太腿がびくびくと震えた。
譲さんの顔を見ると、開きっぱなしの唇の端から涎がたれ落ち、浅い呼吸を繰り返して紅潮していた。
じゅぽじゅぽとわざと大きな音を立てて愛撫を続ける。同じ男のものなのに、なんて可愛いんだろう。柚希のものは触るのが限界で、口に入れるなんてとんでもないと思っていたが、譲さんのは全然違った。
口腔内から引き抜き、譲さんを再び見上げると、時計の方を見ているようだった。
「よそ見なんかして余裕ですね」
思わず嫌味っぽく言ってしまうと譲さんは即座に否定したが、ちょうどいいタイミングだと思い、もう限界とでもいうように窮屈に収まっていた自分自身のものを解放した。
そそり立つ俺のものを見て、譲さんは青褪めたようだった。
その姿が清純な処女そのもので、可哀想だと思うよりも益々この人を自分の色に染めたくなってしまった。
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