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タケルは身体をビクリと一回痙攣させ、目を覚ました。
(…………)
大きく目を見開き、しばらく天井を呆然と見つめるタケル。
(…………?)
心臓が早鐘のように打つのをなんとか落ち着かせ、ゆっくりと思考を取り戻そうとする。
(………………夢?)
気付くとタケルはリビングのコタツの中で全身に汗を滲ませ寝転んでいた。
いつの間にか眠っていたらしい。
近くに置かれた大画面のテレビ番組からは、年越しのカウントダウンに向けて、賑やかに準備が行われようとしている様子が映し出されていた。
時間からして、どうやらまだ除夜の鐘は鳴り始めていないようだった。
ということは、どこかで除夜の鐘が鳴っていたのは、夢の中でのこと…つまり――
先程までの高支那との生々しい出来事も全て夢だったことになる。
そんな時、向かい側からいきなり声が掛かったものだから、タケルはまたビクリと身体を震わせてしまった。
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