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「行かない。そういうの興味ないから」 即答だった。 躊躇いもなく、悩むことも無く即答。 「え?い、いやぁ、そんなこと言わずにさ?ね?行こうよ、カラオケ。楽しいよ?」 彼女はそっと本を閉じ、こちらへ目を向ける。 その黒い瞳は明らかに怒りを孕んでいた。 八上さんと仲良くなりたいが為に少ししつこくしすぎただろうか…… 「興味無いの。カラオケにも、貴方にも。だいたい私、貴方達みたいな人が嫌いなの」 幾らか怒気を孕んだ彼女の声はクラスの喧騒を切り裂くように鋭かった。 彼女の言葉によってクラスに一瞬の静寂が齎され、クラスメイトの視線がこちらへ向く。 彼女の怒気を孕んだ言葉が聞こえたのか、今週末一緒にカラオケに行くメンバーがつかつかとこちらへ向かってくる。 「アンタさ、何なの?真島君がせっかく誘ってくれてるのにその態度。断るにしてもそれは無いと思うんだけど」 メンバーの内の気の強い女子が八上さんに食って掛かる。 「興味ないから、ハッキリその旨を伝えただけ。何も悪いことはしてない」 八上さんはチラッとメンバーを見てそう言ってまた本を読み進める。 それが気に食わなかったのか、先程食って掛った女子以外のメンバーも彼女に文句を言い始めた。
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