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君と私
私には長く付き合いを持っている幼馴染が一人存在している。
ソイツの名前は神崎千尋。……何処ぞの超有名映画作品の女性主人公の名前と一致している為名前が凄く女っぽいといつも言われている。
そう言われる度に顔を真っ赤にしながら「俺は女っぽくねえ」と震えながら言っている事がとても特徴的で千尋の一番面白い所なのだ。しかしながら千尋は最近耐性が付きつつありつまらなくなりつつある。
「嗚呼千尋、なんで千尋はつまらないの?」
「それは千尋だからだ眞」
そうして後ろの席で恋愛小説を熟読している千尋に話しかけたのだが……全く、私の事は眞と呼ぶなと何度言えば分かるのだろうか? 眞という名前は男っぽくて嫌いだ。千尋と名前をさっさと交換したい位だ。
しかしながら四歳位から何時も私が千尋を弄る事が多かったと言うのに高校生になってから初めて私がイジられるようになってしまった。……これは酷い屈辱だ。
いつかこの雪辱を! とは思っている物の最近はカウンターまで覚え始めて、逆襲され始めているのだ。
「そういう事じゃないんだ、私は何故あの純真無垢で汚れを知らなかった千尋が反旗を翻すなど汚れきったことをしたのかって聞きたいんだ」
「知らねえよ」
一体何が知らないのだか。
……けれど下手したら千尋と大学すら同じになる可能性があるし、そもそも私が千尋を弄る為にどんな大学だろうが会社だろうがずっと付きまとってやると決めているから、ずっと一緒だろうけれどこのままでは私と千尋の関係が逆転してしまいそうだ。
そうなってしまうと私のアイデンティティーが崩壊してしまい、ただの女子になってしまうじゃないか。
「そう言えばさ、話は変わるんだけど私と千尋の関係っていつまで続くのかな?」
「……いや、お前の人生計画は俺を弄る事のみじゃないのかよ」
……少し真面目に考えていたというのにコイツは阿呆にも程があるというものだ。私はきっと悪童にも程があるのだけど。
こいつは私が居なくなってしまったらどうするのだろうか? 別に今の所別れる予定は無いが……。
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