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「おっ、お前何で泣いてんだ!?」
「えっ?」
千尋に指摘されることで気付いたがどうやら私は泣いていた様だ。……理由はやっぱり千尋が居なくなってしまう、そう考えてしまった所為だろう。でなければ他に理由が見つからない。
私は別に持病を抱えている訳でもないし。と言う事はやはり目の前の千尋が原因なのだろう。
…………何ともまあ女々しい事に私は千尋が居なくなってしまうことを想像してしまっただけで粒程度だが涙が出てしまうとはね、どうしちゃったんだろ私。
「おっ、おい?」
本当に私と千尋が離れ離れになってしまう時が来たら私はどのように思い、その事をどうしているのだろうか。
きっと私の事だから張本人である千尋を弄りに行くだろう、そして……そして…………きっと私は大泣きするだろう。
何処か出会える、そうは思っても千尋が居なくなって、そのまま居なくなってしまったらどうしよう。そう考えてしまうだろう。
「おい? 本当に大丈夫か?」
そして千尋はどうするのだろう、私と同じ様に表面上は平気を装っても裏では涙で溢れているのだろうか?
若しくは本当に本心から私の様な面倒なやつが居なくなったと清々するだろうか。
そうだったのなら、私は死にたくなってしまう。家族の次に一番長く一緒にいて、家族以上に仲が良いと思っていた千尋にそんな事を思われていたのなら
「いやね、千尋といつか別れてしまう事を考えてたら悲しくなっちゃって」
この言葉を聞いてどのような反応をするだろうかな? 嘲笑うのならば私は今すぐに死んでやろうと思う。……心配するような素振りを見せるのならばまたいつもと同じ様に生活をしよう。
「……なんでそんな事言うんだよ」
私が吐いた台詞の後、長い間が存在し私が不安になっていると、千尋は表情は怒っている様な泣きそうになっている様な、器用な表情をしながら私の腕を掴んだ。
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