標高三千四百米より

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「実際、抜けたんだよ。こんなならいい眺めが見えるだろうな」  星は空に張り付いているようで、しかし心なしか普段見ているよりも近くなったような気がした。たった、三千メートルほど変わっただけなのにも関わらず、だ。 「これが見れただけでも十分だな」 「それは、御来光を見てから言ってほしいな」 「そうだった」 「ところで今、何時だ」 「一時を過ぎたとこだ」 「よし、準備して行くか」 「おうよ」  山頂までは、残り三百メートルほどだ。 **********
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