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この事件の記憶だけでも苦しいのに、さらに追い打ちをかける出来事が起きているのです。
一家の行方不明事件を境にした頃からでしょうか、周辺で不可思議な現象が勃発するようになりました。
それが「赤いてるてる坊主」と内密に呼ばれるものでして......
これは直接確かめたわけではないのですが、いつの頃からか、集落の子供達の間に、おかしな遊びが流行るようになったのです。
簡単に説明すると、大人の目が及ばぬ場所で赤いてるてる坊主を吊るし、合言葉を口にすると小さな女の子が現れ、恐ろしい事が起こるらしいのです。
詳しくは私もわかりません。
とにかくどうしたわけか、知り得る限りの当事者はみんなその、固く口をつぐんでいるもので......
昔から結構、危なっかしい遊びは色々と流行るもので、赤いてるてる坊主もそうした類いの一つに過ぎないと思っていたのですが、どうも遊びを行った子供達の様子がおかしい。
うまく説明できないのですが、そろって生気のない、どこか思い詰めた表情になってしまい、昼夜問わず何事かを呟くようになり、最後には......
特定の狭い地域でのみ行われる赤いてるてる坊主、プロの編集部さんから見ると、どんな風に見られるでしょうか。
子供が考えた新しい遊びの一つくらいと思いますか。
それとも何らかの不可思議な力が働いていると思うでしょうか。
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