32人が本棚に入れています
本棚に追加
「その通り!
いいよ巫女ちゃん、本当に俺の期待を裏切らない、いい答えだよ~」
私の答えは羽下守を満足させるものだったみたいで、実にいい返答。
「だって、その答え以外考えられないし。
本当かはわからないけど、現場?である淵無に住んでるみたいですし、これはもう直接行く流れじゃないですか。
......つまり取材、ですよね」
「そうなんですよ、東雲さん。
いつも通りならばわざわざ出向かずに、安楽椅子探偵ばりの頭脳を駆使して記事を書いちゃうとこだけど、今回は!
今までの功績が認められて、ついに初取材!
自分の目で見て!肌で感じるリアリティ!
本物の生きた躍動する文章で読者を魅了し、ハートを鷲掴みにする事ができてしまうのさ!」
「普段の私の文章は死んで硬直した文章、というわけですね」
私のツッコミにも意に介する様子も見せず、高笑いでごまかす羽下守。
「いいの、いいの。
オカルト雑誌なんだから、あまり元気な文章だとウケがよくないし。
死んでるくらいが丁度いいかもしれないよ?」
「私の根暗な文章で読者を魅了できますか?」
「できるできる。
猫又出版の読者層って、マニアの比率高いから」
羽下守の本心は読めないが、とても誉められてるとは思えない。
最初のコメントを投稿しよう!