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志木の意外な頼みに、冬美の戸惑いはますます募る。
「あの、えっと......体調がよくなれば、学校、出てくるのではないですか。
わざわざ様子を確かめる必要、ありますか?」
「......電話の様子がね、おかしかったのよ」
「電話......」
こういうところ、冬美はいまいち引っかかりを覚えてしまう。
時折、自分の考えはすでに相手は理解しているとの前提での話し方、どうも好きになれない。
ましてや子供相手の会話、もう少し同じ目線で話す工夫が出来ないものか......とは、クラス一同の意見。
「春菜さんの欠席の連絡を今朝、お母様から受け取ったのだけどね、その時のやり取りの中で、妙に引っかかるものがあってね......」
「はあ......」
冬美としては、そうとしか言いようがない。
「何と言ったらいいのかな、電話の奥からね、唸り声みたいなのが聞こえた気がするのよ......」
「春菜のお家の電話から、ですか」
「そ。
ちなみに、春菜さんのお家、犬か何か飼っているかしら?
唸り声をあげる様なペットとか......」
「いえ、飼ってません。
春菜のお家、アパート住まいですから、ペットの類いは禁止になってますから」
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