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「なーるほど。 それでわざわざ春菜ん家までご足労する羽目になったってわけか。 そんなの先生がパッパとやってくれたらよさそうだけど」 面倒な用件は避けたがる傾向のある夏希らしい意見が飛び出す。 「まあ、一日欠席したからって、先生がわざわざ行くのもおかしいじゃない? 私ならいつも一緒に行動しているわけだから、訪ねても違和感はないし」 「私達、でしょ。 4人そろってのグループ四季なんだから、そこのところ忘れてもらったら困るわ」 グループ四季。 お察しの通り、彼女らの名前から派生した、4人のグループの愛称だ。 何の偶然か、春菜、夏希、千秋、冬美。 四季が勢揃いして面白いと、瞬く間に仲良くなってはや6年。 気がつけば小学校時代の苦楽を共に過ごしてきた。 不思議と誰1人欠ける事なく、同じクラス。 春菜は好奇心旺盛で、夏希はおっちょこちょい、千秋は落ち着いて大人びていて、冬美は少々引っ込み思案。 4人一緒でいる時はそうでもないが、1人で人前でスピーチする時など、胸がドキドキしてしまい、頭が真っ白になって言葉が出て来ない。 そんな時は他のメンバーらが駆けつけて、フォローし合って窮地を乗り切るのだ。 口に出しては言わないけど、冬美はグループ四季が誇らしくてたまらない。
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