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「君の名前が知りたい。」
男が言った。
グレーの瞳に吸い込まれそうになる。
「…神崎彩…香」
「へぇ。彩香ちゃんね…
君の求めるモノを僕は与えられるかな。」
ふっ、と目を細めて言った。
男は全て見透かしたような瞳は私をただ見つめる。
「あなたは…?」
「僕は、成瀬蓮(ナルセレン)。宜しくね彩香。」
蓮と名乗った男は口角を上げて笑った。
「きっと君は必ず僕を求めるようになる。」
そう言ってグラスの中の液体を飲み干した。
すると立ち上がり去り際に蓮はこう言った。
「待ってるよ?
彩香チャン。」
連絡先らしき紙を置いて。
蓮の背中を見つめて高鳴る鼓動を落ち着かせた。
熱の籠もった身体は増すばかりだ…。
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