きみのみあととおもいつるかも
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「・・・じゃあ」 「うん」 片手をあげると、彼も白い指先を上げて応えた。 甘い、瑞々しい香りが追いかけてくる。 背中をふわりと包んで、するりと通り抜けた。 あの香りを、抱きしめたい。 抱きしめるには幼すぎて、どんなに腕を伸ばしても彼を包み込むことが出来ない。 できることなら、奪いたい。 心も、身体も、全てが欲しい。 衝動をこらえて、前に進んだ。 夏が、始まる。
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