ナツコイ。

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頭を上下させ舌を絡ませる。敏感なくびれを舐めるように巻きつけると御厨は呻き、腰を引いた。 息がどんどん荒くなっている。 「で、ちゃいそ、う」 「いいよ」 キュウっとしぼみ固くなる袋を柔らかく揉み上げながら強く吸い上げると御厨は呆気なく達した。規則正しい動きで吐き出される体液が口の中へと流れ込んでくる。最後の一滴まで舌先で掬い取ると、御厨からは一気に力が抜けへたりこんでしまった。 「気持ちよかった?」 聞くと何度も頷き「天国みたい」とこぼした。 その率直な感想におれはおかしくなって笑ってしまう。 「まだ最初の一歩だよ」 「うそ……」 「それともこれで終わる?」 意地悪い質問を投げかけると御厨は慌てて抱きついて、いやだと答えた。 「もっと蜂矢と気持ちいことをしたい」 お互いの体を洗いあうと、手を繋いでベッドへとむかった。フカフカで大きなベッドはおれと御厨の体を優しく受け止める。 のし掛かり見下ろした御厨は今までのどの彼よりも美しく、魅力的だった。 「好きだよ」と御厨は囁いた。 「ずっと好きで、こうしたくて、でも諦めていたから……夢みたい」 ふふ、と静かな笑みをたたえておれを見つめてくる。 「幸せだ」 そう呟いて瞳を閉じた御厨のまぶたに唇をおとした。
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