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「出そうだから、顔、離して」
限界が近いのを感じて御厨の顔を離そうとしたが彼は首を横に振り、さらに喉の奥へと飲み込もうとした。
「御厨」
「出して。おれも飲みたい」
「……不味いぞ」
流石に初めてで飲ませるには抵抗があった。汚くないとは教えたけど、不味いものは不味い。
「それでも」と御厨は動きを止めなかった。
「蜂矢の命を味わいたいんだ」
おれは乱暴にならないように気をつけながらも腰を振り、御厨の口の中へと精を放った。勢いのあるそれは何度も彼の口を犯した。
おれのしたように御厨も最後の一滴まで吸い上げ飲み込んだらしく、喉を動かすとゴホゴホと咳き込んだ。
「だから言ったろ」
「はは。本当に不味かった」
口の周りをペロリと舐めながら御厨は変な顔で笑った。
「でも嬉しい」
近くにあった水の入ったペットボトルを渡すと、御厨は一気に飲み干し照れたように笑った。
「おれのもこんな味だった?」
「多分似たようなもんだろ」
互いの口の中に自分の味が残っているというのはおかしなものだった。よほど親密な行為でしか渡し合えない。
もう一度キスを交わすと青臭い味がした。お互いの体液が混ざり合っていく。
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