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「気持ちいいよ」
ちゃんとしっかり、やばいくらいに。
キスをしながらそう教えると嬉しそうに笑みを浮かべた。
「よかった。ずっとしてみたいって思っていたから……蜂矢に触れたいって近くに行きたいって……夢みたい」
「大げさ」
「大げさじゃないよ。蜂矢は知らなかっただけで、ずっと好きだった。だから、本当に嬉しい」
そう言われて嬉しくない人なんかいない。御厨からストレートに与えられる好意に胸がムズムズとした。
「そうか」
「うん。だからもっとして。もっと欲しい」
祖母のお墓詣りに来る前はこんなことになるなんて思っていなかった。手を合わせている時もだ。このまま帰ってもいいと思っていたくらい、めんどくさいとさえ感じていた里帰りが思わぬ結果になっている。
おれは御厨を強く抱きしめると望むままに2人を繋げていた。何度果てたのかもわからない。ただひたすら互いを貪り、欲望を解き放っていた。
もう何も出ない、というくらい疲れ果てて横になった時はカーテンから細い明かりが差し込もうとしていた。
「少し寝ようか」
「うん」
シーツの間に体を横たえて向かい合って抱き合って目を閉じた。
身体中からまだ余韻が漂っている。
「辛くなかった?」
「うん。すごく、よかった。幸せだ」
腕の中に収まる体を愛おしく思う。親密なコミニュケーションをかわした御厨はもうただの元クラスメイトじゃない。おれにとって深いつながりをもった相手だ。
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