【全ては気のせい、気のせい】

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{2} 「…全く、霧島のヤツときたら…酔った勢いとは言え、自分ばっかり『講釈』をたれるくせして、俺の話はスルーするとはな…」 と… 俺は、霧島との以前の会話を思い出して「やれやれ…」と、ため息をついて、ちょっと苦笑いした。 ここは… 俺が独り暮らしをしているアパートの自室だ。 と…再び、彼の『講釈』が頭の中に浮かんだ。 『…でもな、吉本よ…。 例え「見えにくいタイプ」の人間でも、普段から怪談を読んだり、話したりし続けているとだな。 やがては、だんだんとその人間も「見えやすいタイプ」に体質が変わって行って、そういった事に「敏感」になるらしいんだよ。どうだ!知ってたか?!』 「うーん…。 『そういった事に敏感になる…』ねぇ…」 俺は、腕組みして部屋の天井を見上げながら考えた。 かく言う、この俺は… 普段から怪談を読んだり、話したりしているどころか… 年中、ホラー小説ばかり書いているんだが… 心霊現象とかには、全く縁が無く、 当然、霊体験は全くの未経験…。 一向に『見えにくい体質』…と言うか『全く見えない体質』のままだ。 (って言うか、全く信じてないが。笑) ちなみに年中、ホラー小説ばかりを書いていると言っても… 俺は、別にプロの作家じゃあない。 実は、プロの作家を目指してせっせと作品を書いては、 あちこちのクリエイター・サイトのコンテストに投稿し続けている、しがないサラリーマンだ。 目指すは! 夢の印税生活!! しかし… 今のところ、 投稿結果は、全戦全敗(涙) しかし! 「よ、よしっ! 次行こう!次っ!」 と、俺は今、気持ちを切り替えて、次回のコンテストに投稿する為、新たな小説の執筆を始めている。 俺が書くジャンルは… ほとんど全てが、ホラー。 いや! むしろ『ホラーこそ我が個性!我が武器!』 と言っても、過言ではないかもしれない(笑)
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