上野の話

2.転校しました

コンコンコン

扉を叩く音が聞こえてきて目が覚める。

俺の睡眠欲は留まるところを知らず未だに寝かせろと言ってくるが、なんとか振り切り扉を開ける

「あ、寝てた？」

訪ねてきたのは質問攻め男だった

「寝てた」

「すっげー変な寝癖ついてる」

男が少し笑いながら言ってくる

なんだ、普通のイケメンじゃないか！さっきのクソみたいな質問達はなんだったんだ！

「飯、」

「ん？」

「作ったけど上野も食べる？」

「！いただきたいです」

夕飯という存在を忘れていたよ。腹が減っていたので物凄く食い気味の返事をしてしまった

「なんだその返事」

男はまたフッと笑って「じゃあ準備するからちょっと待ってて」と言った

「え、手伝う」
意外にまともな奴だったので。

「まじ？ありがと」

なんという急展開、二人で夕飯の準備をすることになりました。