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そういえば、俺は自己紹介したのにあいつはしなかったもんだから名前とか全く知らないまま会話してたけど、あいつは高崎というらしい
テーブル拭いてる時に聞いた。
色彩豊かでおしゃれな料理達がテーブルに並んでいく。
今日のメインは鮭のムニエルだってよ。塩鮭ではないのがおしゃれ。俺はどっちも好き
「じゃ、食べよ」
高崎が席につく
「やったぜ」
俺もその向かいに座る
「「いただきます」」
家族以外と夕飯なんて久しぶりだ。少しうきうきしながらムニエルに手をつけた
「うっま」
とてもジューシー。
実は俺の母は料理があまり上手くない。めっちゃ下手。
俺は普通に食べられるけど。学校に弁当を持っていった時の友達の反応が今でも忘れられない。すごい顔歪んでた。
ということで美味しい手料理にあんまり馴染みがない、のだがこれはすげえや!
黙々と箸を進めていると、その様子を見た高崎に「うまそうでよかった」と言われた
「高崎ってさあ、なんでこんな料理うまいの」
「そんなうまいの?いつもバイトで作ってるからかな」
「金持ちの癖にバイトしてんのかよ…」
「自分の趣味に使う金くらい稼ぐだろ」
それもそうか
「ところでお前普通に会話できるんだな」
お母さんずっと心配してたの
「いや俺をなんだと思ってんの」
なぜなぜ小僧。
「だって謎の質問大量にしてきた上に良かったねって謎のフォローして帰ってったじゃん」
「あれはふざけてただけ」
高崎はしれっとそう抜かしやがる
ふざけ半分で俺をアマゾンに向かわせるとは、とんだサド野郎だ。いや勝手にアマゾンに向かったのは俺だ。
それに、と高崎は続ける
「初対面で顔がいいって言われて、写真要求される方が怖いだろ。俺の方こそ上野と会話できんのか不安がるべきだわ」
確かに
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