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「ところで伊勢崎先輩は何年生ですか?」
オーラに圧倒されて先輩と呼んでいたが、対応からして年上であることは間違いないだろう。
「2年です。次は3年ですね」
「ほお!一つ上なんですね。伊勢崎先輩は俺を案内するためだけに休みの中駆り出されてしまったんですか?」
かわいそうに。
「ああ、違いますよ。私は生徒会で庶務をやってまして。来年度に向けての引き継ぎとかでまだ仕事が残ってるんです。さっきまで生徒会室にいましたよ。だから案内のためだけにいたわけではないです」
「それは良かったです。3年生でも引き続き生徒会ですか」
「ええ、そうですね。次は副会長ですかねきっと」
ヒ、ヒエ~お偉いさん~!びっくり!
「『きっと』ってことはまだ暫定なんですね」
「はい、この学校少し変わってるんですよね。一応は決まってるんですけど最終決定は別なんです」
「最終決定?投票とかですか?」
俺がそう聞いた瞬間、先輩の歩みがピタリと止まった。え、なに、怖。
「え、どうしました?」
「い、いやなんでもないですけど」
いや目が泳いでいる!とてつもなく挙動不審!
何なの?投票地雷です、みたいな人なの??
俺、生徒会といったら投票かなーやっぱwって思って言っただけなんですけど
暫く挙動不審だったが落ち着いたらしく、伊勢崎先輩は「すみません…取り乱してしまって」と頭を下げた。
「!いえ全然大丈夫です。ただ、先輩がそこまで慌てる理由が気になるなーって思ったり…」
俺がそう言うと伊勢崎先輩は少し遠くを見つめながら、「理事長室で多分理解出来ると思うので、それまでは保留にしておいてください」と言った。
「わかりました。」
伊勢崎先輩が少しご機嫌ななめなのでこの話はやめておこうな!賢明!
その会話が終わったと同時に理事長室に到着した。そう言えば俺は理事長室に向かってたの。初めて知った。
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