おじいちゃんの青い顔

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「おじいちゃんに反省してもらうんだ」  おじいちゃんの部屋に行くには雨戸がガタガタ鳴る廊下を進まなくてはならなくて、去年までは怖くて私自身もガタガタ震えていた。だけど今年は違う。決心が震えを押し返した。おじいちゃんのおこりんぼを退治するためにひとつ強くなったのだ。 「ぬきあしさしあししのびあし」  夜お手洗いに行くときはこう言って足音を立てなければお化けは寄ってこないのよ。とおばあちゃんから教わった。  ガタガタ鳴る雨戸。それは風のせい。 「ぬきあしさしあししのびあし」  言葉の意味はわからない。  ガタガタガタ。 「おじいちゃんのお尻がまだ青い」  ガタガタガタ。ガタガタガタ。  天国のおばあちゃんに、私のやろうとしていることをわかって欲しい。うまくいくように側にいて欲しい。  おじいちゃんの部屋の前に来た。  障子が隙間なくぴったり閉まっているところがいかにもおじいちゃんって感じがする。  ちょっとでも隙間作ったら起きちゃうかなと胸がバクバクしたけど、おばあちゃんが味方についてくれている。きっと大丈夫。  そっと人差し指くらいの隙間を作って中を覗いてみる。おじいちゃんは布団の中。暗闇のなか、静かに寝息をたてていた。  よし、いける。     
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