おじいちゃんの青い顔

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 誰の言うこともはねつけていたおじいちゃんが、おばあちゃんの言うことは受け入れたんだ。  そんなことお父さんに言っても信じてもらえないだろうし。  おじいちゃんは気位が高いから内緒にしてあげなさいね。とおばあちゃんに言われた気がするので私はしらんぷりを決め込むことにした。  5年経って、おじいちゃんは約束通り田舎の家の整理を終えてハチと一緒に我が家へやってきた。  お父さんはおじいちゃんのためにレンタルの農園を探してくれていて、私と妹も一緒にハチの散歩にでかけた。  ハチは都会に来てからときおり遠吠えをすることはあったけれど、それも次第になくなっていき、13歳で天国に召された。 「ハチは子供に返って青い空に帰っていったんだ」 「どういう意味?」  とたずねる妹におじいちゃんは。 「青二才になって死んでいくってことだ」 「あおにさい、ってなに?」  なんでも知りたがる小学4年生の妹。 「人間も一緒だぞ。青白い顔して死んじまうだろ。あれは子供に返った証拠なんだ」  わかるような、わからないような。 「おじいちゃん、ハチは犬だよ。青白いかわかんないよ」  妹の言うことはもっともで、おじいちゃんは久々に口を「へ」の字にして。 「おまえは青びょうたんだからわからないだろうよ」     
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