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「ねぇねぇ、アヤちゃん。明日、例のお店行くんだけどぉ、一緒に来てくれる?」 「お願いっ!」 黒目がちのタレ目とまん丸目に上目遣い(身長差のせいともいう)に見つめられる。 中学からの親友二人、楓(タレ目、おっとり)と美羽(まん丸目、妹タイプ?)。 女の子らしくて可愛い二人が、どうして全く趣味も違う私とこんなに仲良くしてくれるのか、今でも不思議なんだけど… なんて事を考えてボーッとしてる私に、何か予定があると勘違いしたのか、 「あっ…ごめん。明日、何かあった?」 と美羽はオロオロしている。 「そうだよねぇ、アヤちゃんキレイだから、デートだよねぇ」 しょんぼりする楓。 はぁ!? 「いやいや、二人じゃあるまいし。私に声かける物好きなんか居る訳ないでしょ!?」 何をどう思ったらそんな事思い付くのか、こっちが驚いた。 「大丈夫だから、三人で行こう。あの…今人気のお笑い芸人に似た店員が居るショップだよね?」 みるみるうちに二人共嬉しそうな顔になりニコニコしてきた。 「そう!カッコいいよねっ」 「お話できたらいいなぁ…」 あんまり興味が無いけど、TVの露出が多いせいか、私でも顔と名前は知っている。 確か…『外見だけ』と『外見はそこまでじゃないけどしゃべりメイン』のコンビ。 二人がドキドキしているのは、あんまりカッコよくないしゃべりメインの方らしい。 翌日─ 「ここだよっ、アヤちゃん!」 「早く早くぅ、アヤちゃん」 二人は興奮と緊張が混ざってほんのり上気した顔で、もそもそと後を着いて来ていた私を急かす。 入り口のマネキンが着けている服は…どう見ても私には無理な、可愛いくてヒラヒラの… そう、ちょうど楓と美羽にならピッタリな服だ。 ふわふわやヒラヒラやリボンみたいなのは、可愛いとは思うけど、私のカラーじゃない。 益々入り辛くなってしまった。 楓と美羽は少し声を潜めながら 「今日、居るのかなぁ」 「見える?」 とその辺の服を手に取り、見ている素振りをしているが、心は店内に飛んでいる感じで… 私は、というと… 店のテイストと違い過ぎて何だか落ち着かなく、周りの視線が気になって、道行く人を見てしまう…
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