第4章 仲間がいる強さ

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遠儀達は教室から抜け出し場所を変える為に階段を降りた。 1階に着いた遠儀達はすぐ見えた大きい建物に向かった。 「あれって体育館よね?」 有梨空は遠儀に聞いた。 「多分、あそこになら誰かいそうだな」 遠儀はにこやかな笑顔をすると有梨空は鋭く睨んだ。 「バカなんですか?体育館は箱状ですよ?退路を完全に塞がれた状態になるんですよ?それがどういうことか分かります?」 遠儀は軽く返事した。 「まぁ…何となくわかるけど、なんとかなるだろ!」 そう言いながら有梨空の手を取り体育館に向かい重い扉を開けた。 すると、辺りは薄暗かったが体育館の真ん中に誰かが座っているのがうっすら見えた。 遠儀と有梨空は叫んだ。 「いっちー!」 「石川くん!」 遠儀は石川に近づこうとすると石川が呟いた。 「ち……くな……」 あまりに声が小さくて聞こえなかった。 遠儀は気にせず近づこうとすると、石川は怯えながら大きく叫んだ。 「近づくな!」 遠儀はその声にビビり足を止めた。 そして、遠儀が周りを見渡している時に有梨空は上の方で目が光るのが見えた。 「高橋君!危ない!」 有梨空に言われて後ろに下がるとさっき自分がいるところが焼け焦げていたのが見えた。 「焦げてる……上に誰かいるのか?」 すると、薄暗い暗闇から声がした。 「遊びーましょ……」 その声と同時に電気がつくと目の前には妖怪みたいななんとも言えない怪物が石川の周りを囲んでいた。 「なんだ…あれ……」 そして声がした方向に目を向けるとそこには着物を着た長い黒髪の女の子が立っていた。 「遊びましょ……」
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